37年間使われたキッチン
昭和の時代に作られた、昭和の生活スタイルに合ったキッチン。入居者の方々が大切に使い続けてくださったこのキッチンは経年の劣化はあるものの、天板などはまだまだ使えるものでした。そこで、天板や土台はそのままに、木の扉や収納を製作することで、また新たに命を吹き込み、このキッチンを生かすことができるのではないか、と考えました。
古い板を外し、新しい棚を製作
古い正面板を外し、新しいべニア板でキッチン収納を製作していきます。寸法や加工はやはり職人技。キッチンの土台の寸法や形状に合わせて、ぴったり合う扉や収納棚を作り上げます。
味を残しつつ新たなキッチンに
無垢フローリングの色合いや古い味が漂うお部屋に合わせて、キッチン表面はダークブラウンに塗装し、完成。37年間使い込まれたキッチンが、新しく蘇りました。「あるを生かす」ことは、コストを削減できることはもちろん、歴史あるデザインや素材を残していくことができます。現場でのこうした小さな工夫の積み重ねで、素材をできる限り生かした、一点一点ゆっくり時間をかけたものづくりが行われています。
玄関に残る懐かしいデザインの照明
次はこの玄関の壁付け照明。デザインにどこか懐かしさを感じます。まだまだ使えるこの照明もぜひ生かしたい!と、ここでもハニカムラボの「あるを生かす」物語が始まります。
新設した壁に厚さを調整
模様替えした廊下の壁の厚みに照明が合わなくなったため、土台の嵩上げが必要になりました。ここでもやはり、現場の工夫が生かされます。円形に切った木材を、照明の形に加工し、見事に新しい壁の厚みに適応した照明に生まれ変わりました。嵩上げの木の塗装は少しダークめに、有孔ボードに合わせて。
側面カバーに上貼りしてお風呂もイメージチェンジ
お風呂のエプロン(浴槽の側面を覆うカバー)は、防かびダイノックシートを貼り、新しくイメージチェンジ。
今回は、賃貸マンションの家主様からのリノベーションのご依頼でした。費用をできるだけ抑えたいのはもちろん、古い味のある素材もできる限り残していきたいとハニカムラボは考えています。
現場の工夫ひとつで、そのままの素材を生かしつつ、新しく生まれ変わる。お客様のやりたいことを最優先しているからこそ、施工現場でも思いのこもったモノづくりが行われています。