昭和レトロな窓を残そう
ハニカムラボは古いものと新しいものが共存する空間が大好物。古いものが持つ気配は、なんとなくその場の空気をまろやかにしてくれる気がします。
築50年は経っていたこの家にも、懐かしさ漂う模様ガラスや窓枠があちこちにありました。窓枠は一部は木が腐っていたりと課題はいろいろありましたが、それぐらいでは諦めないのがハニカムラボです。
こちらは1階の窓。
窓の枠は自然な木のままにしたいけれど、外からの雨の侵入は防ぐ必要があります。そこで古い枠を取り去り、新たな木枠を設置して古木の色に合わせてペイント。室内から見えないところをアルミサッシにするという合わせ技に出ました。そして外の塀より高い位置にある上一段のガラスだけは模様のない透明タイプに。これによって、塀の上を歩く猫がまるで空中を歩いているように見える、というちょっと面白いおまけがつきました。
2階スタジオの窓枠は「だてメガネ」仕様!
2階スタジオも、古い窓ガラスを生かして木枠だけ新しく取り替えましたが、それだけではなんだか面白くない。そこで目をつけたのが別の場所で使われていた障子の桟です。白くペイントして窓の内側に取り付けてみたら、視覚的に心地よいリズムが生まれて、これまたいい感じ。
ガラスのはまっていない「だてメガネ」状態ですが、これがあるとないとでは、雰囲気が全然違います。代表・湯川が「よしよし」とほくそ笑むのはこんな時です。
解体で出た柱で、洗面台を造作
洗面台には、不要になった柱材を再利用。エイジングした深みのある風合いが、この空間のテイストによく似合っています。
こんなものも生かしちゃいました
お施主様にも気に入っていただけた、もう一つの意外な「あるを生かす」は、虫喰い痕の残る柱!もちろんしっかり消毒を施し、磨きをかけたうえで使用しています。
1階のフォーカルポイント(視線を引き寄せる場所)である階段横で、でんと存在感を放っているこの柱。渋くエイジングした色味と手ざわりに、うねるように走る溝が面白くて、なんだか心惹かれる気がしませんか?
階段を登るたびにそっと手を添える部分。これからも多くの人の手で撫でられ、一層味わいを増していくことでしょう。